49日とは故人が亡くなられてから48日目後に執り行う法事のことです。
49日の法事にはどのような服装で行けばよいのかお悩みの方も多いことでしょう。この記事では、施主側・参列者側のそれぞれにふさわしい服装について解説しているので、ぜひご覧ください。
49日とは
社会人にもなると、お葬式や法事に参列する機会も増えてくることでしょう。法事にはさまざまな種類のものがありますが、その中でも特に49日法要は大切なものとなります。
ここではまず、故人の供養において重要な49日の法事に関する基本情報について確認しておきましょう。
49日法要の目的や意味
まずは、49日の法事の目的やその意味合いについてチェックしていきましょう。仏教では、故人が極楽浄土に行くためには現世での家族の供養が不可欠であると考えられています。
仏式の考えでは故人の魂は49日をもってあの世に旅立つとされていますが、その際に閻魔大王によって生前の行いについて審判を受けることになるため、無事極楽浄土に行けるように故人の供養を行うことを目的としたものが49日の法事になります。
49日の数え方・実施日
それでは、49日の法事はいつ行われるのでしょうか。ここではその数え方と実施日について確認しておきましょう。
法事においては故人が亡くなられた日を一日目として数えるため、49日は故人が亡くなられてから48日後に執り行うことになっています。
ただし、その日に家族や親族で集まるのが難しい場合には、その前後に49日の法事を執り行うというケースもあります。
喪服の格式
以上でご紹介したように、49日の法事は故人の供養において大切なものですので、施主側も参列者側も、それにふさわしい服装で臨むべきだと言えるでしょう。
49日を含む法事では喪服を着用するのが一般的ですが、喪服と一口に言っても3つの格式があり、立場によってそれぞれの服装を使い分ける必要があります。
ここからは、喪服の3つの格式についてチェックしていきましょう。
1:正喪服
喪服には正喪服・準喪服・略喪服という3つの格式がありますが、その中で最も格式が高くフォーマルな服装が正喪服になります。
正喪服には和装と洋装の2パターンがあり、男性ならば紋付羽織袴かモーニングコートを着用しますし、女性ならば黒色無地の五つ紋付きの着物かブラックフォーマルドレスを着用します。
なお、正喪服は喪主にあたるご遺族のみが着用する服装で、参列する側の人間が着ることはできません。
2:準喪服
正喪服について2番目に格式の高い服装が準喪服です。準喪服は最も着用する頻度が高い喪服であり、お通夜やお葬式から49日のような法事に至るまで着用することができます。
お葬式や49日を含む法事では、ご遺族よりも格式の高い喪服を着用するのはマナー違反ですので、参列者は準喪服を着用します。
具体的には、男性ならばブラックスーツを、女性ならばブラックフォーマルを着用するのが一般的です。
3:略喪服
3つの喪服の中で最も格式が低い服装が、略喪服です。略喪服は、訃報に接して取り急ぎ駆け付けたというお通夜や、49日などの法要であらかじめ「略喪服で」と案内を受けていた場合に主に参列者側の人間が着用する喪服です。
略喪服の服装としては、男性ならばダークカラーの無地のスーツを着用し、女性ならば黒か紺色の地味なワンピースか男性と同様にダークカラーのスーツを着用します。
法事のマナー!49日にふさわしい服装
以上では、知っているようで意外と多くの人が知らない喪服の3つの格式と、それぞれの具体的な服装についてご紹介してきました。
それでは、49日の法事においてはどのような服装をしていけばよいのでしょうか。法事の服装は、施主側の人間か参列者側の人間かによって異なってきます。
ここからは、49日にふさわしい服装について詳しく解説していますので、服装選びに迷った時にぜひ参考になさってみてください。
施主側の男性の服装
まずは、49日の法事にふさわしい施主側の男性の服装からチェックしていきましょう。
49日を執り行う施主側の男性は、喪服の中でも最も格式の高い正喪服か準喪服のどちらかを着用するのが一般的です。
以前は正喪服を着用する方の割合が高かったものの、近年では施主であっても準喪服を着用する方も少なくありません。
以下ではそれぞれの場合の具体的な服装についてご紹介していきます。
正喪服
49日にふさわしい施主側の男性の服装としてまず挙げられるのが、最もフォーマルな装いである正喪服です。
正喪服の具体的な服装としては、洋装ならばモーニングコートを、和装ならば背中・両袖・両胸の5か所に家紋を染め上げた五つ紋付の羽織袴を着用します。
なお、モーニングコートの場合はベストやネクタイ、ズボンは黒色のもので統一するのがマナーです。
準喪服
準喪服も、49日の法事にふさわしい施主側の男性の服装の一つとして挙げられるでしょう。
準喪服の服装としては、ブラックスーツに白色無地のワイシャツと弔事用の黒色のネクタイを合わせます。なお、ブラックスーツはシングルとダブルのどちらでも大丈夫です。
結婚指輪と腕時計以外のアクセサリーはつけるのを控え、ベルト・靴下・靴といった小物は全て黒色で統一しましょう。
施主側の女性の服装
それでは、施主側の女性の服装としてはどのようなものが望ましいのでしょうか。ここからは、49日の法事にふさわしい施主側の女性の服装について詳しく見ていきましょう。
施主側の女性は、男性と同様に正喪服か準喪服のどちらかを着用するのが一般的ですが、最近ではかしこまった正喪服ではなく準喪服を着用するほうが多いと言えるでしょう。
以下ではそれぞれの場合の服装について詳しく解説していきます。
正喪服
49日の法事にふさわしい施主側の女性の服装としてまず挙げられるのが、最もフォーマルな装いである正喪服です。
正喪服には洋装と和装の二種類があり、洋装ならば膝が隠れる程度の丈の長さのブラックフォーマルドレスを着用し、和装ならば背中・両袖・両胸に家紋が染め抜かれた五つ紋付の黒色・柄なしの着物を着用します。
なお、ブラックフォーマルドレスの場合には夏でも黒ストッキングを履くのが必須です。
準喪服
準喪服も、49日ノン法事にふさわしい施主側の女性の服装の一つとして挙げられるでしょう。
準喪服としては、ブラックフォーマルスーツか黒色無地のジャケットとワンピースのアンサンブルを着用するのが一般的です。
アクセサリーは、小ぶりなパールの一連のネックレスかイヤリングの1~2点ほどに留めておきましょう。二連のネックレスは悲しみが二重になることを連想させるのでNGです。
参列者の男性の服装
以上では、49日の法事を執り行う施主側の男性と女性の服装について解説してきました。それでは、49日に参列する側の人間はどのような服装で行けばよいのでしょうか。
ここからは、参列者の男性の服装について見ていきましょう。参列者は施主よりも格式の高い喪服を着用することができないので、準喪服もしくは略喪服を着用します。
以下ではそれぞれの服装の使い分けについて詳しくご紹介していきます。
準喪服
49日の法事にふさわしい参列者の男性の服装としてまず挙げられるのが、準喪服です。
特に服装について事前に指定がない場合には、参列者の男性は準喪服に当たるブラックスーツを着用して参列するのがマナーです。
結婚指輪や腕時計以外のアクセサリーは控え、弔事用の黒色無地のネクタイを白色無地のワイシャツに合わせましょう。
略喪服
略喪服も、49日の法事にふさわしい参列者の男性の服装の一つとして挙げられるでしょう。
お葬式と異なり、49日のような法事ではあらかじめ「略喪服にてお越しください」との案内がある場合もありますので、その時には黒色や紺色・グレーといったダークカラーのスーツに白色のワイシャツと落ち着いた色・柄のネクタイを合わせて参列します。
なお、ストライプのような柄入りのスーツは避けるのがマナーです。
参列者の女性の服装
それでは、参列者の女性の場合にはどのような服装が望ましいのでしょうか。ここからは、49日の法事にふさわしい参列者の女性の服装についてご紹介していきます。
女性の場合は服のみならず、ヘアスタイルやメイクに関しても地味で控えめにする必要がありますので、注意しておきましょう。
準喪服
49日の法事にふさわしい参列者の女性の服装としてまず挙げられるのが、準喪服です。
準喪服としては、ブラックフォーマルや黒色無地のジャケットとワンピースのアンサンブルを着用し、黒色のストッキングを履くのが一般的です。
なお、法事では畳の上で正座をする機会もあるので、その際に太ももや膝小僧が見えてしまわないようにある程度丈の長いものを選ぶようにしましょう。
略喪服
略喪服も、49日の法事にふさわしい参列者の女性の服装の一つとして挙げられるでしょう。
略喪服としては、黒色や紺色といった落ち着いた色合いであり、なおかつ無地のワンピースやスーツを着用します。
バッグやパンプスといった小物は黒色無地で統一し、光沢のないものを選びましょう。革製品は殺生を連想させてしまうのでご法度です。
学生の服装
それでは、学生の場合にはどのような服装で49日の法事に参列すればよいのでしょうか。
学生にとっては学校の制服がフォーマルな礼服にあたりますので、制服を着用していけば問題ありません。
お葬式や法事などでNGとされる柄物や明るい色であっても、制服のデザインならば大丈夫です。ただし、ルーズソックスやくるぶし丈ソックスはマナー違反にあたります。
子供・乳幼児の服装
49日の法事では、子どもや乳幼児は喪服の着用が必須ではなく、黒か紺、あるいはグレーの落ち着いた色で無地の控えめなデザインの服を着ていれば問題ありません。
女の子ならばワンピースか白色の襟付きブラウスとスカートを、男の子ならば白色のワイシャツにズボンを合わせるとよいでしょう。
なお、落ち着いた色の服であっても、キャラクターがデザインされたものは避けるのがマナーです。
法事のマナー!49日に必要な持ち物
ここからは、49日の法事で持参すべき持ち物についてご紹介していきます。急に法事に参加することになって慌てなくてすむように、以下で取り上げる小物に関しては、まだお持ちでないのならば自宅に一つ用意しておいてはいかがでしょうか。
1:香典
49日で持参すべきものとしてまず挙げられるのが、香典です。49日などの法事では、参列者は施主の方に受付で香典をお渡しするのがマナーです。
香典は不祝儀袋に入れて表書きをしますが、表書きは宗派によって異なるので事前に施主の方に宗派を確認する必要があります。なお、「御霊前」ならば宗派に関係なく表書きとして使うことができます。
香典の金額の相場
それでは、香典はどれくらい包めばよいのでしょうか。香典の金額は故人との関係によって異なってきますが、祖父母や叔父叔母ならば3000円から30000円、親戚ならば3000円から10000円程度が相場になります。
なお、職場関係などの知人の場合には、2000円から10000円ほどが相場です。死や苦を連想させる4や9のつく数字の金額は避けましょう。
香典袋の書き方
それでは、香典袋はどのように書けばよいのでしょうか。仏式の場合には香典袋の表書きは「御仏前」や「御供物料」などと書き、神式の場合には「御玉串料」や「御神前料」などの表記をします。
宗派によって表書きが異なることに注意が必要です。
2:ふくさ
袱紗(ふくさ)も、49日で持参すべきものの一つとして挙げられるでしょう。香典を素のままで持参するのはマナー違反ですので、必ず弔事用の袱紗に包んで持参します。
なお、袱紗には慶事用の明るい色のものから弔事用の暗い色のものまでさまざまな種類がありますが、紫ならば慶事・弔事の両方に使えます。
3:数珠
49日で持参すべきものの一つとして、数珠も挙げられます。数珠は故人の供養をする上で欠かすことのできないアイテムです。
数珠は宗派によってデザインが異なりますが、黒色で一連の略式念珠ならば宗派に関係なく使うことができるので、一つもっておくと便利でしょう。
4:ハンカチ
ハンカチも、49日の法事で持参すべきものの一つとして挙げられるでしょう。法事では、基本的に黒色か白色の無地のハンカチを持参するのがマナーです。できれば、カジュアルな印象なタオル素材のものは避けたほうがよいでしょう。
49日の服装や持ち物など法事のマナーを知ろう
今回は49日の服装のマナーについて特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。
49日は故人の供養において大切なものですので、それにふさわしい服装をし、持参すべき持ち物を準備して臨みましょう。