終活というと高齢になってからするものと思っていませんか。
最近では、30代と若い世代でも終活に取り組む人の割合が増えてきています。この記事では30代から始める終活の方法や、エンディングノートに書いておくべき情報についてご紹介しています。
終活とは
最近雑誌・新聞やテレビなどでよく耳にするようになった「終活」というものについてご存知でしょうか。
終活とは就職活動を意味する「就活」をもじったもので、自分らしい人生の終わり方を迎えるための活動のことを意味する言葉です。
生きていればいつの日か必ず迎えるであろう自らの死に備え、それをネガティブなものとしてではなくポジティブなものとして前向きに捉えていく活動だとも言えるでしょう。
どんなことをする活動?
そもそも、終活とはいったいどんなことをする活動なのでしょうか。言葉の意味はわかっていても、いまいちその具体的な活動がイメージしにくいという方もおられることでしょう。
終活のあり方は人それぞれですが、一般的な終活としては例えば部屋のいらないものを断捨離して自分が死んだあと家族が片付けで困らないようにしたり、あるいはお墓を用意するといった活動が挙げられるでしょう。
また自分の葬式プランを考える人もいます。
何歳から始める?
それでは、終活は何歳ごろから始めるものなのでしょうか。終活というと人生の終わりを意識しはじめる高齢者がするものというイメージがありますが、最近では20代や30代の若い世代の間でも徐々に終活に取り組む人の割合が増えてきています。
人はいつ死ぬか誰にもわからないので、終活を行うのに早すぎるということはありません。そのため、終活は何歳からでも始められるものだと言えるでしょう。
30代で終活は早すぎる?
「30代はまだまだ若いから大丈夫」「30代で死んだ後のことを考える必要なんてない」とお考えの方もおられることでしょう。
しかし、30代に終活は早すぎるということはありません。30代で健康であっても、事故や天災などで急に命を失ってしまうという可能性もゼロではないため、早めに終活に取り組んでおくことには一定のメリットがあります。
また、終活をすることでこれまでの人生を振り返るよい機会となるでしょう。
30代の終活はエンディングノートから始めよう
それでは、30代で終活を始めるとなると、具体的にどのようなことから手を付ければよいのでしょうか。
30代の終活のとっかかりとしてしたいのが、エンディングノートです。エンディングノートとは、自分の人生の終わり方についての希望を記入するノートのことです。
エンディングノートを書くことで自分の人生と向き合い、これからの人生をよりよく生きるための決意をすることもできるでしょう。
エンディングノートに書いておく情報8つ
それでは、エンディングノートにはどのような内容を書き込めばよいのでしょうか。
ここからは、エンディングノートに書いておきたい情報を8つピックアップしてご紹介していきます。
終活用に作られた市販のエンディングノートを購入してもよいですし、コンビニなどに売ってある普通のノートをエンディングノートとして活用してももちろんOKです。エンディングノートを書く際にぜひ以下を参考になさってみてください。
1:事務手続きに必要な個人情報
30代がエンディングノートに書くべき情報としてまず挙げられるのが、事務手続きに必要な個人情報です。
生年月日や住所、マイナンバーや年金手帳の番号など、事務手続きに何かと必要になる個人情報をまとめてエンディングノートに書きこんでいきましょう。
「家族だから知っているはず」と思っている情報であっても意外と知らないことも多いので、できるだけ詳しく書いておくことをします。
2:銀行口座や財産の情報
銀行口座や財産の情報についても、30代がエンディングノートに書いておくべき情報の一つとして挙げられるでしょう。
どの銀行にいくつ口座をもっていてそれぞれにどれくらいの財産を預けているのか、またその通帳やカードはどこに保管しているのかといった情報を書き込んでいきましょう。
自分が亡くなった時に家族が知らないと困る情報が口座や財産に関するものですので、しっかりと記入する必要があります。
3:契約している保険の情報
30代がエンディングノートに書いておきたい情報の一つとして、契約している保険の情報も挙げられます。30代ならば多くの方が保険に加入していることでしょう。
どの保険会社のどんな内容の保険に入っているのか、保険から葬儀費用が出せるのか、また亡くなった際に家族が保険金を受け取れるようになっている場合には、その金額と受取に関する情報についてもよくよく記入しておくことが大切です。
4:借金の有無
借金の有無に関しても、30代がエンディングノートに書いておきたい情報の一つとして挙げられるでしょう。
プラスの財産よりも借金のほうが多いのに、遺した家族が自分の財産を相続してしまった場合迷惑をかけてしまいますので、もし借金がある場合はその詳細をエンディングノートに記入し、相続放棄の手続きをしてもらうようにしたほうがベターです。
自分の死後、家族に迷惑がかからないように、きちんと記しておきましょう。
5:介護の方法
30代がエンディングノートに記入しておきたい情報の一つとして、介護の方法も挙げられます。
事故や病気などで万が一要介護の状態になった時に、自宅と病院のどちらで介護をしてほしいのか、また誰に介護を希望するのかを書いておきましょう。
30代だと自分が介護を受けるイメージが持てない方が多いでしょうが、よりよい終活のためにも、念のためエンディングノートには書いておいたほうがベターです。
6:延命措置の有無
延命措置の有無に関しても、30代がエンディングノートに書いておきたい情報の一つです。
最近では、過度に延命措置をするのは「本人に苦痛を与えてしまうのではないか」という考えが出てきており、その是非について議論が分かれています。
万が一事故などに遭い自分で意思表示できない状態に陥った時、延命措置を望むのか、それとも自然な死の迎え方を望むのかをあらかじめエンディングノートに記入しておくとよいでしょう。
7:葬式の方法
30代がエンディングノートに書いておきたい情報の一つとして挙げられるのが、お葬式の方法です。
最近ではお葬式のあり方も多様化してきているため、終活の一環として自分がどのようなお葬式をしてもらいたいのかを考えるのがです。
身内だけのお葬式にするのか職場の同僚や昔の知人も参列してもらうお葬式にするのか、またお墓に入れてほしいのか散骨などにしてほしいのかをノートに書いておくとよいでしょう。
8:家族へのメッセージ
家族へのメッセージも、30代がエンディングノートに書いておくべき情報の一つとして挙げられるでしょう。
終活の活動の中でも、人生をよりよく終わらせるためにこれまでの人生を振り返り、お世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えることが大切ですので、愛する家族にエンディングノートでいつもは言えない感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。
エンディングノートは遺言ではない
エンディングノートに関して注意しておきたいのが、エンディングノートそのものが遺言になるわけではないということです。
エンディングノートはあくまで自分が亡くなる時に最良の人生の終わりの迎え方ができるように備えるためのものですので、遺言代わりにならないということを事前に知っておきましょう。
特に財産分与などに関する大切な事柄は、別途、きちんと遺言という形で残す必要があります。
エンディングノート以外の30代からできる終活
以上では、30代が終活をはじめるにあたってなエンディングノートについてご紹介してきました。
それでは、他に30代から始められる終活としてどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、エンディングノート以外にしたい、30代からできる終活についてご紹介していきます。
終活に早すぎるということはありませんので、ぜひ以下でご紹介する活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。
1:遺影の準備
30代にしたい終活としてまず挙げられるのが、遺影の準備です。事故などで急逝してしまった場合、自分が望まない写りの悪い写真を遺影として使われてしまってはたまりません。
自分の望むようなお葬式にするためにも、自分の写りのよい写真を見つけて、もしもの時にはそれを遺影として使ってもらうように家族に伝えたり、メモを残しておくとよいでしょう。
そうすれば、素敵に映った自分の写真を家族に残すこともできます。
2:お棺に入れて欲しいものリストの作成
お棺に入れてほしいもののリストの作成をするということも、30代にしたい終活の一つとして挙げられるでしょう。
天国に旅立つにあたってどのようなものをお棺に入れてほしいのか、特に思い入れの強いものをあらかじめリストアップしておくことで、心おきなく旅立つことができるでしょう。
また、念のため、自宅のどこにそのものがあるのかについても記入しておくと、万が一の時に家族も戸惑わずにすみます。
3:WEB関係の整理
30代にしたい終活の一つとして挙げられるのが、WEB関係の整理です。
ビデオや映画などのWEB上のサービスで年会費などを払っている場合には、家族がそれについて把握していなければ自分の死後も会費が引き落とされてしまうこともありえます。
そうならないように、あらかじめ利用していないWEBサービスは解約したり、あるいは現在契約中のWEBサービスの情報をメモなどで残しておきましょう。
4:パソコンの整理
パソコンの整理をするということも、30代にしたい終活の一つとして挙げられるでしょう。
パソコンの中は個人情報の塊であり、たとえ愛する家族であっても決して人に見られたくない情報が入っているという人も少なくないことでしょう。
家族に見られたくないデータはあらかじめ削除しておくか、誰にも見られないようにパスワードを設定しておくことをします。
5:部屋の整理
30代に終活の一つとして、部屋の整理も挙げられます。部屋が散らかった状態のままあの世に旅立ってしまうと、遺された家族に大きな迷惑をかけてしまいますので、断捨離をして部屋をすっきりと整理しておきましょう。
断捨離を行えば終活になるだけではなく、日々の生活を快適に過ごすこともできるので一石二鳥です。
30代から終活を始めよう
今回は30代の終活のあり方について特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。これまでの人生を振り返り、またこれからより良い生き方をしていくためにも、30代から前向きな終活に取り組んでみてください。