迎え火のやり方とは?タイミングや注意点についても解説

お盆の期間がいつからなのかちゃんと知らない、また「迎え火」について、詳しく分からないけれど理解しておきたいと考えている方は多いでしょう。

今回はお盆の風物詩「迎え火」とはどんなものなのかについて、その方法やどのような意味合いがあるのかをまとめました。

目次

迎え火とは

迎え火、そして送り火というものをみなさん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

小さい頃にはたびたび目にしていた日本の昔からの習慣なども、最近ではあまり見ることもなくなり、教えてくれる人もどんどん減ってきているため、迎え火というものがなんなのか、迎え火のやり方など今さら誰にも聞けないという方は多いのではないでしょうか。

今回はその改めて確認してみたい「迎え火」のやり方についてまとめていきます。

お盆にご先祖様をお迎えする風習

迎え火とは、お盆の13日の夕方にご先祖様の魂が迷うこと無く家に帰ってくるように玄関先で目印として火を焚いて待つやり方のことをいいます。

地域によっては1〜7日のあいだに行ったり、8月だったりと、さまざまな時期の違いがあります。そして火を焚くやり方にも違いがあります。

意外と知らない?迎え火のやり方

迎え火というのはただ木かなにかに火をつけて焚けばいいのでしょうか。迎え火のやり方は基本的には焙烙という素焼きのお皿みたいな物におがらを置いて火を焚いていきます。

おがらとは麻の芯の部分のことで、麻にはモノを清浄する力があると伝えられており、悪い物を清めるという意味があります。おがらを焚くことによって、ご先祖様を迎え入れるにふさわしい清らかな空間にしているということになります。

迎え火のやり方

迎え火はどういうやり方で行えばよいのでしょうか。場所や手順、時間はどのくらい焚いていればいいのか、やり方の分からないポイントがたくさんあります。

地域によってなど、やり方の違いは日本中にあるのですがまずは迎え火の知識として基本的なところをまとめていきます。

1:盆提灯の火を灯す

盆提灯とは、迎え火の代わりに仏壇の前などで提灯に火を灯すやり方が一般的です。もともと昔は火を灯すやり方でしたが、現在では電気で光る提灯を使用するやり方が主流となっています。

盆提灯は形や飾り方など地域や宗派によってのやり方の違いが無いというのが特徴です。迎え火と同じく、玄関先でつるす形で先祖を待ったり、置くタイプだったり家に合った提灯を選ぶ必要があります。

2:焙烙とオガラを用意する

上記したように、ちゃんと火を焚くやり方のタイプとして迎え火をする場合は焙烙とオガラを用意します。盆提灯と違う点は、実際に火を焚くということそして盆提灯は購入する際にある程度の費用がかかりますが、焙烙とオガラはそんなに高く付くものではないという点です。

ぱちぱちと麻が燃えていく音はお盆の象徴のようで、一度は体験してほしいです。

焙烙とオガラはどこで買えるのか

普段は目にすることの無いこの迎え火グッズの焙烙とオガラですが、お盆のシーズンになると仏具屋さんなどで手に入ります。その他にも品揃えのよいスーパーやホームセンターには必ず置いてあります。

街中だと花屋さん、そして百貨店などにも置いてあることが多く、お盆が近づけば意外とどこでも手に入ります。

3:玄関先や門口でオガラを燃やす

オガラを燃やすやり方のタイプの迎え火をする場合は、玄関先や門口などの場所で行います。

その際、オガラを置く場所が乾いた雑草に覆われた場所や、燃えやすい物が近くにある場所、小さな子どもやペットがいたずらする場所は必ず避けましょう。

玄関先や門口で火を焚く理由は?

迎え火は、ご先祖様の魂が迷うこと無く家に帰ってくるように、目印として火を焚くというところから始まっています。そのため、家の入り口となる玄関先や門口でオガラを燃やすとよいです。

そして東京などの都心部では、迎え火と送り火を「またぐ」風習があります。迎え火や送り火の上を3回またぐと、病気から身を守ることができると考えられてきました。

迎え火のタイミングはいつが良いのか

一般的に、迎え火をするタイミングは13日の夕方がいいとされていますが地域によって色んな違いがあります。

自分の住んでいる土地や、先祖代々の習わしのやり方がどうなのか、近所の人や家族などに確認してみるとよいでしょう。火を焚きながらその家の宗派のお経を唱えるやり方などをする地域や宗派などもあります。

13日の夕方に焚く

一般的に、迎え火をするタイミングは盆入りの7月13日です。ただ、地域によっては8月の13日の夕方に行われることがあります。また、その前日の12日だったりします。この日を盆の迎え日と呼びます。

送り火のやり方とタイミングは

迎え火のやり方について書いてきましたが、お盆の終わりには「送り火」というものもあります。送り火とは、迎え火とやり方が違うのでしょうか。

送り火の意味ややり方などはどういうものなのか、こちらもまとめていきますのでぜひこの機会に迎え火と合わせて確認していきましょう。

場所と道具は迎え火と同じ

送り火を焚く場所、そして使う道具は迎え火とまったく一緒なので別に用意しなければいけないものはありません。お盆の期間中で家でゆっくりもてなしたご先祖様の魂をしっかり送るための火となります。門火ともいいます。

川沿いなどで火を焚く精霊流しなどもあります。お盆の最後の日に焚いた火に乗ってご先祖様が火とともにあの世に帰っていくと考えられています。

日にちは地域によって違う

送り火は基本的にお盆の最終日に行われます。15日の夕方から夜にかけて火を焚くことが多いです。地域によっては16日に焚いたり、24、25日あたりに焚くところもあります。

京都の東山では大文字という大きな「大」の形の火を焚いて盛大にご先祖様の霊を送るという風習がとても有名です。これも送り火の一種です。

迎え火や送り火の注意点3つ

ご先祖様の魂を送るためにぜひ行いたい迎え火・送り火ですが、火を扱うものだからこそ気をつけたいポイントがいくつかあります。そして年に一度しかしないことなので、「あれ?どうしたらいいんだろう」と考え込んでしまうこともあるはずです。

いざ迎え火・送り火をしてみる前に注意点を最終チェックしていきましょう。

1:家がマンションの場合

迎え火そして送り火として火を焚くということは一軒家であること、玄関先や庭のスペースがあることを前提に考えています。現代ではアパートやマンションで暮らす家庭が多くなっているため、昔ながらの迎え火をすることができません。

そんな場合は実際の火ではなく盆提灯を購入し、使用するということがベストです。火も使わないし屋内で昔から迎え火などの代わりに使われているのでがっかり感もありません。

2:天候が悪かった場合

雨が降ってしまったりした場合は、無理に野外で火を焚こうとしなくても大丈夫です。玄関先に屋根がついている場合はそちらに置きましょう。

しかし、玄関先は人の出入りが多く、足を引っかけてしまったりすると危険なのでスペースが広くない場合は無理をしないようにしましょう。

3:お迎えする気持ちを持つ

形だけ風習として迎え火・送り火をしても意味がありません。ご先祖様や、会えなくなってしまった故人に向けて、普段の感謝の気持ちやお盆の期間はゆっくり家に帰ってきて休んでくださいねという気持ちを持って迎えるのが大事です。

魂のためにではなく、自分自身をふりかえるきっかけとなります。お盆の期間はゆっくりと落ち着いた気持ちで、ご先祖様と向き合う期間にするとよいでしょう。

迎え火でご先祖様をお迎えしましょう

いかがでしたでしょうか。迎え火・そして送り火について少し理解できたでしょうか。地域や環境によって、細かい点が異なっているのが迎え火という風習です。ただ「午前ぞ様を迎えるという気持ち」は、どの地域であっても基本にあります。

基本を押さえつつ、自分にぴったり合う迎え方を探してみましょう。

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